【ラバプリ感想②】仕事と恋人どっちが大事?
前回に引き続き、ラバプリの感想、主に数馬の話をしていきます!
今回もネタバレ注意です!
前回の記事をご覧になっていない方は、目を通して頂いた方が今回の話が分かりやすいかと思います。
夢の起点
LoverPretendは、夢を追う人々の物語です。
たとえば主人公のちゆきは、脚本家になることを夢見て、浅木先生に脚本の指導を受けています。
さてここで問題です。
数馬、由稀人、春三、理玖の4人なかで、1人だけ仲間はずれがいます。
それは誰でしょう?
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はい、正解は数馬です(まあ話の流れからして分かりますよね)
4人とも夢を追いかけている人間であることに変わりはありませんが、数馬以外の3人は、その夢を抱くきっかけにちゆきは関係ありません。
もっと言うと、この3人はちゆきと出会う前から既に、その夢を抱いているのです。
ところが数馬は違います。
数馬は、祖母の死をきっかけに脚本家になるという決意を新たにしたちゆきに触発される形で、ヘアメイクの夢を見出しています。
つまり、夢のきっかけはちゆきなんです。
ここで、前回でお話した“焦燥感”も踏まえて、さらに私はこう考えます。
数馬が自分の夢を目指すようになったのは、何か夢に向かって頑張っている人間でないと、ちゆきの隣に並べないと思ったからではないか、と。
極端な言い方をすると、ヘアメイクという夢は、数馬にとって目的ではなく、ちゆきの隣に並び立つための手段だったのではないでしょうか。
もちろんこれは、ヘアメイクという夢の成り立ち、きっかけの話です。
夢に向かって進んでいくうちに、これが数馬にとって本当にやりたいこと、本物の夢になっていったと思います。
でもこう考えると、ストーリー中のあれそれに合点がいくのです。
たとえば、
ちゆきと偽の恋人関係を始めて、仕事が疎かになってしまう数馬
浮かれて仕事を蔑ろにするなんて、ガキかおまえは……と初見時はツッコミたくなったのですが、今なら分かります。
だって数馬がそもそも手に入れたかったのは、夢じゃなくてちゆきなんです。
ある意味、ヘアメイクという夢はちゆきの為にあるのです。
そりゃあ浮かれぽんちで仕事より恋人が優先とか言い出しますよ……
仕事を退職し、親友という名の偽の恋人関係を続けるBADエンドの数馬
個人的に1番好きなBADエンドなんですが、これもすごくしっくり来るようになるんですよね。
夢の根っこにあるのはちゆきだから、ヘアメイクのことは思い出せなくてどうでもよくなってしまっても、ちゆきのことは(都合の良いところだけ)思い出せる。
数馬にとって、ちゆき無しにヘアメイクの夢は語れないけど、ヘアメイクの夢無しにちゆきのことは語ることが出来るんですよ。
なんて言うか、土のないところに草木は存在出来ないけど、土は草木が無くてもそこに存在することが出来るみたいな、そんな感じ……(この例え伝わるか?)
このBADエンド直前のプリテンドタイムの選択肢、「私のことを思い出して」ではなく「夢のことを思い出して」が正解になっています。
夢を思い出さなければBADエンドになってしまう……
改めてこの作品は、夢を追う人々の物語なんだなあと感じます。
まだ書き終わらん……(汗)
たぶん(たぶん)次の回で終わると思うので、宜しければお付き合いのほどお願いいたします!
ラバプリ感想③につづく!