『明治活劇 ハイカラ流星組』フルコン感想

以下の記事はネタバレありまくりなのでご注意ください。

 

 

 

 

 

『明治活劇 ハイカラ流星組』フルコンしました!
Twitterでの評判はいろいろと見ていたものの、せっかくステラセット買ったしなあと思いプレイしました。気になる声優さんが多かったのもプレイ理由の一つです(徳次郎役の小林さんは今作が乙女ゲー初出演!)。

 

 

ざっくり感想を述べると、

①絵はめちゃくちゃ素敵!

②システムも良き!

③お前らちゃんと恋愛しろ!もしくはちゃんと成敗しろ!

の3点に纏まります。

 

 

①絵はめちゃくちゃ素敵!
清白かりんさんの絵はほんっとーに素晴らしかったです。どれも最高に綺麗で可愛くて、うっとり見とれちゃう。イラストの良さが、このゲームをプレイするモチベーションになっていました。EDイラストや所持品のおまけイラストなど、色や効果が少ないイラストでも色気があって好きです。

 

 

②システムも良き!
スキップがサクサクで快適でした。イベントごとにスキップも可能で選択肢・未読の有無を教えてくれるのも親切で有難かったです。ストーリーが冬に移行すると、キャラが喋った時に白い息が出るのも細かい。
ミニマップの聞き込みモードはちょっと面倒くさいなって思っちゃいました。聞き込みする順番によっては遠回りになって手間と時間がかかるし、最短でやっても同じ人に2回聞きに行かなきゃいけなかったり(間に別の人を挟んで)してだるい。

 

 

③お前らちゃんと恋愛しろ!もしくはちゃんと成敗しろ!

一人目攻略した時は特に、あまりにも事件が中途半端なまま話が終わってしまったのでびっくりしましたが、それでも一人攻略するごとに真相が見えてくるような構成は好きです。攻略が終わってはじめから共通ルートをプレイすると、どんどん会話が増えていくのも好きでした。時代設定の割に結婚に縛られ過ぎてないのも良かったと思います。大抵のルートで結納だ祝言だって話にはなりますが、二人にとって絶対のゴールでは無いというか。

 

ところでこのゲーム全体的に、キャラクター達があまり恋愛感情抱いてなくないですか???

地の文が無く会話だけで進むこともあって、キャラ達の感情が見えにくいんですよね。言葉では好きとか愛してるとか言うし、ハグやキスもあるけど、それらが大抵突発的なイベントで、日常的な恋愛しぐさが全然見られなかったのが残念でした。あなた本当に相手のことが恋愛対象として好きなんですか??って、攻略キャラに対しても思ったし、ヒロインに対しても思った。

私が恋愛モノを読む時に期待している要素って、「恋心の芽生え」「すれ違い両片思い」「嫉妬・独占欲」だったりします(ベタですけど、どうして相手と一緒にいるとドキドキするんだろう、この気持ちは何?とか、相手を意識しちゃってまともに見られない話せないとか、きっと向こうは私のことなんてどうでもいいんだわ(そんなことねえ)とか、どうやらあいつは他に好きな人がいるらしい(お前だよ)とか、相手が異性と親しげにしているところを見てイライラしちゃうとか……ベタですけど)。必ずあって欲しいわけじゃないしそれに終始しなくていいけど、ある程度期待はしていて……こういうときめきやきゅんきゅんが無かったので悲しかったです(楓花ちゃんだけは分かりやすく「嫉妬」してたんですけど、コレジャナイ感があるのはどうしてだろう……)。

 

 で、恋愛要素が薄いなら薄いで流星組の方をしっかりやってくれればそれはそれで全然アリなんですけど、それも煮え切らなかったな~と。副題に「成敗しませう、世直し稼業」ってあるけど、世直しは父の死の真相を探るための手段だし、そもそも言うほど成敗もしてない

ヒロインの父や銀さんたちが流星組という活動をしていたのを知ってヒロイン達も新流星組の活動を始めるわけですが、知ってから活動の決心をするまでが長くてテンポ悪いし、始めたら始めたで銀さんが殆ど計画立てちゃうし全部を教えてくれないからヒロイン蚊帳の外なことも多いし、意外と活動してない時間が長くてノリも軽い。コナ〇の少年探偵団と同レベルだよ。

 

以下、キャラごとの感想(攻略順)。

・芳川けい(ヒロイン)

ビジュは可愛いし好き。16歳だから仕方ない、のかもしれないけどちょっと幼いしイライラさせられるな~と思いました。プライベートで何かあって心が乱れてる時ならともかく、平常時に仕事ミスするのはなんで?ドジっ子?御用聞きの行き帰りでよく道草食ってるし。同じ米屋で働く丁稚たちによく「女は楽でいいよな~」とか「仕事出来ないくせに」とか嫌味言われるんですけど、実際この仕事ぶりなので同情もできない。家計がかなり苦しそうなのに、しょっちゅう長屋の住人たちにご飯をご馳走してるのは大丈夫なんだろうか……?と疑問に思いました。

あとどこかのルート(賢さんだったかな)で五世木議官に呼び出された時、議官からの質問に次々と馬鹿正直に答えてるのは流石に突っ込みたくなりました(議官は分かった上で質問しているのだとしても)。もうちょっとハッタリかますとか誤魔化すとかそれが難しいなら黙秘とかしろ!星組向いてなさすぎるぞ!

 

・久史坊ちゃん(CV.榎木さん)

ツンデレのボンボン。個人的にはもうちょっとツンツンデレデレしているところが見たかったですが、お前が好きだー!と大声で叫べる真っすぐさは好きです。でも本当にヒロインのことが異性として好きなのか、全然納得できなかったです。ヒロインの隣の部屋に越してきたとかおにぎりのエピソードとかだけじゃ弱すぎん??話の終わり方にはびっくりしました。あんなクライマックスで坊ちゃんのことブスリしといて犯人明かさないってアリかよ。

 

・楓花ちゃん(CV.井口さん)

かわいい。キャラとしては一番好き。理由あって女のフリをしているのかと思いきや、楓花ちゃん自身も自分が女だと思い込んでいたパターン。中盤までの女の子声が可愛いのは勿論、徐々に変声して青年声になっていく過程も素晴らしく、井口さんさすがでした。声とビジュアルに関しては、女の子の時も青年の時も大好きです。なんせ私は中性的キャラに弱い……。キャラがキャラなのでメンヘラなのは想定済みでしたが、楓花父をヒロイン父が殺したかもしれないと聞かされて急に酷く当たられるようになったとこはついていけなかったです。

 

・賢さん(CV.石川さん)

掴めそうで掴めない優男。久史・楓花はあまり恋愛らしい恋愛ではなかったので(なんか友達に対する親愛の延長っぽい)、大人として恋愛を教えてくれるのでは?と期待して攻略し始めました。今振り返ると、実際賢さんとのやり取りが一番糖度高かったですね。夏祭りのCGでヒロインの顔がめっちゃ赤くなってて、この子にも照れるって感情あるんだ!?とびっくりした思い出。引き寄せたかと思えば突き放す、どっちつかずのズルい大人の男を描きたかったんだろうな~と思うし、そういう男は好きです。今回のメイン声優の中で一番乙女ゲーの経験があるのは石川さんだと思うのですが、声と演技の絶妙な匙加減、やっぱり好きだな~と思いました。

 

・銀先生(CV.伊東さん)

星組のブレイン。先生のおかげで流星組が活動できてると言ってもまったく過言ではない。あくまで自分は信平さんの遺言を守ってヒロインたち親子を見守りたいだけで恋愛感情は無いと言い張る銀先生にしびれを切らした常良さんが「そうか、じゃあ俺が彼女を貰ってもいいよな」とヒロインに急接近して銀先生を焚き付けようとする展開が絶対にあると思ってた。無かった。ヒロイン16歳、銀先生31歳と年齢差だいぶあるし、自分が名前をつけた相手と結婚するって(正確には名前の案を求められて出したら採用された)なかなか業が深い。

 

・徳さん(CV.小林さん)

優しく頼もしいあんちゃんに見えて闇が深い。ヒロインとのカップリングとしては一番好き。議官の命令はもう聞かないと約束しても、いざ議官に呼び出されると操り人形のように首を縦に振ってしまいます。たしかに議官と話している時の徳さんは声のトーンが落ちているんですが、もうちょっと苦しそうあるいは怯えているところが見られたら感情移入しやすかったかもしれません。仕込み無しで徳さんに刺されることで身体を張って彼を改心させようとする覚悟の強さ、「私が徳さんを幸せにします!」と言い切る押しの強さなど、このルートのヒロインが一番頼もしくて好きでした。今までずっと、議官からの命令が全てで生きてきたから、他のことに興味が持てなくて、無味乾燥な生活を送りがちな徳さん。ヒロインが彼に感情や彩を与えて、不器用な彼の手を引っ張り、時には支え合いながら生きていくんだと思うとなかなか萌えます。

 

・その他のキャラ

銀ルートの修蔵さん(CV.佐藤さん)がすごく好きでした。少しずつ家族の温かさを知っていく様子がかわいい。時々オタク特有の早口かますのがジワるんですよね(別に修蔵さんはオタクではない)。優花ちゃんとくっつくルートもあるのかしらとほのかに期待しましたが(ケンカップル的な)、無かったのでちょっと残念です。優花ちゃんもかわいかったな~。

 

 

こうして振り返ると、途中経過(ストーリー)は置いておいてキャラクター及びヒロインとのカップリングは好きって感じですね。なんと言っても清白先生の絵がハチャメチャに良いので思い返すと悪くなかった気がしてくるんですが、ボリュームありますし結構根気は必要でした。榎木さん、伊東さん、小林さんみたいなタイプの声優さんを集めるなら、脚本がしっかりしてないと活かしきれなくて勿体ないです……。